【美術展の感想】 ティツィアーノとヴェネツィア派展(東京都美術館)

先月急に東京へ行く用事ができまして、「今見れる美術展!」で検索して見つけて飛び込みました。

ということで、まったく予備知識もなく興味をもっていたわけでもなく、ただ単に「行けたから」という理由での訪問です。

東京は人が多いね

訪れたのは日曜日の開館直後。
会期も始まったばかりなので、そんなに人もいないかなと思ったのですが、会場内は予想よりも混んでいました。

東京はやっぱり人が多いですね。
人混みが苦手なので、東京に来るときはいつも気合が必要です。

全体的に暗い雰囲気の美術展(批判ではないですよ!)

絵は全体的に暗い雰囲気で、館内もかなり薄暗く(照明をかなり絞っているような感じ)、まるで中世のお屋敷にいるようでした。

そんな雰囲気の中でちょっと面白いなと思ったのが、肖像画。
背景が真っ暗で、肌が白く塗られたものが多いんですけど、薄暗い中で見ているとまるで浮き上がっているように見えるんです。

ディズニーのアトラクションで、動く肖像画が出てくるものがあったと思うんですが(ホーンテッドマンション?)、あれを思い出しました。

『フローラ』の美しさ

今回の展覧会の目玉のうちの一つ、ポスターにもなった『フローラ』の美しさは格別でした。
造形というよりも、その肌や髪の質感ですね。
こればっかりは印刷物を見ても限界があるので、直接見てこそ価値のあるものだと思います。

こんな肌や髪を持つ女性が目の前にいたら、ぜひさわってみたいと思わせる美しさでした。
肌のくすみとか色の境界とか全くなくて、まさしく陶器のような肌。
あんまりにも塗った跡のようなものが見えなくて、思わずこの絵画は何で描かれたものか確認してしまいました(普通に油彩)。

この当時の絵描きの人が、どれくらいこんなにきれいな肌を描けるものなのかはわかりませんが(割と誰でも描けたのか、ティツィアーノくらいしか描けなかったのか)、この美しさを求める人の気持ちはわかるような気がします。

女性なら、この人に肖像画を描いてもらえたらそれはもう嬉しいでしょう。
この時代、写真なんてないから絵が写真みたいなもんですし、交通機関も発達してませんから、行動範囲もそれほど広くありませんし。

1枚描いてもらって「どこそこの国のなんとか夫人はこんなに美しい白い肌をした女性らしい」「ひゃー!海の向こうにはこんな美女が!」なんて噂されることを考えたら、大枚払ってでもお願いする気持ちもわかるってもんです。

男性なら、現実にはあり得ない(?)美しい肌の女性を眺められるのは楽しいでしょうね。

素材によって異なる塗りの技法が面白い

さて、フローラの絵にもあるのですが、ティツィアーノの絵では、服のような布地には大胆な筆遣いをされているものが多いです。

…と解説にはありましたが、フローラの服はかなり描きこまれているように見えて、「大胆?そうかなー?」と、絵を前にして首を捻ってしまいました。
ただ、肌や髪と比べると、筆致が見えるという点では確かにそうかもしれません。

また、他のティツィアーノ作品を見ると、「確かにこれはざっくりと描かれてるなー」と私でもわかるものがあり、そういう素材による描き分けを見るのも面白かったです。
近づいてみると雑とも思える描き方なんですが、遠くから見るとちゃんとビロードのように見えるのもすごいですよね。

もう一つ面白いなーと思ったのが金糸の織物。
確かに金色が輝いて見えるんです。
金糸なんて見たことがない庶民がこんな絵を見たら、「世の中にはきれいなものがあるんだなー!」って驚くと思います。

解説に織物の表現が得意といったようなことが書かれていた絵があったのですが、その絵の織物が一番きれいに見えました。
絵なのに本当にきらきら輝いて見えます。

1年遅れで「書物の聖母」のポストカードをゲット

今回、この美術展でのお土産は購入しませんでした。

全体的に暗い雰囲気の絵が多いので、どうも手元に残しておきたいと思うものがなかったからかな。
元々、「タイミングがあったから」という理由で来た美術展ですしね。

そのかわり、去年(2016年)東京都美術館で行われた、『ボッティチェリ展』の「書物の聖母」のポストカードを購入してきました。
書物の聖母は、イタリアに行ったときに一番気に入った絵だったのですが、美術館が小さかったためかグッズ類が全然なかったんです。
本当に悲しかった。その代わり写真を撮りまくって帰ってきましたが。

それで、去年来日することを知って行きたいと思っていたのですが、なかなかタイミングが合わないうちに終わってしまって図録も販売終了してしまって…。
今回都美術館に来ることを決めた理由の一つにも、「もしかしたら書物の聖母の何かが売ってないかな」という期待を込めていたので、買えてよかった!



フローラの絵についての感想を書いていて、この当時の「美女」の基準を良く知らないなあということに気づきました。
時代や地方で基準はいろいろあるのでしょうが、ざっくりとでいいので知識をつけたいな。

と思って調べてたらなんだかよさげな本があったので、メモメモ。
機会があったら読んでみます。
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